北京・承徳の旅
文・訳/山口 りえ
今年は私たちのグラスルーツ日中友好団体の設立10周年である。その記念活動の一環として5日間の北京・承徳の旅を実施した。承徳は我々柏市の姉妹都市だったので、当然承徳に行くのが主になった。
私たち一行は総員12人の個人グループで、中国の旅行社が私たちの要求に応じてその日程と費用を設定してくれ、日本の旅行社に頼まなかったので、費用は安くでき、また観光地の商店でお土産を買わせるということがなく、スケジュールの余裕もできた。
初日は頤和園、故宮、王府井だった。
頤和園は1750年創建、西太后の晩年の休養地である。300.59ヘクタールを占め、万寿山と昆明湖の二つから成っている。園中には楼閣、築山、小橋、湖、石の船、花園、長廊(回廊)などがある。前日大雨が降ったので、太陽の光も昨日の激しさがなく、湖畔の回廊に沿って歩くと、絵の中を逍遥するような気分で、詩の境地に満ちている。湖面は広々として、鏡のように穏やかで、回廊の色彩画は多彩で、色が鮮明で、美しすぎて見尽くせないほどだった。この回廊は世界最長で、全て「蘇州様式の彩色画」を使っている。残念なのは園に身体障害者用の車椅子がないので、ガイドさんに「金を払って、輿を担いでもらうことができますか?メンバーのSさんの足がご不自由なためです。」とたずねると答は「ありません。」とのことだった。そのため私たちはたびたび立ち止まらなければならず、速く行こうとしても行けなかった。ある人は冗談に「私たちの今回の旅行はわがまま旅行だね」と語った。Sさんはすでに3回中国に行ったことがあるが、このような状態でも、とても喜んで私たちと一緒に旅行をした。
庭園を出てバスに乗りすぐに景山へ向かう。景山公園は故宮の全景を眺めるにはとても良い所である。
山を下り故宮に入るとちょうど間に合った。もう少し遅かったら入れなかったかもしれない。切符の販売締切の時間が15:30のためである。幸い多くのメンバーは何度も故宮に来たことがあるので、今回十分な時間を取ってゆっくりと故宮を味わうことができなかったことに対しては、大きな不満はなかった。このことからも中国の歴史、中国の文化財への日本人の愛好ぶりが伺え、「百回見ても飽きない」という言葉で形容しても言い過ぎではない。
北京ダックのほか、羊肉しゃぶしゃぶも北京の一大グルメと言える。王府井へ行ったら、「東来順」で本場の羊肉しゃぶしゃぶをかならず味わってみて下さい。味は「絶品」と言える。燕京ビールも同じである。私たちのメンバーは毎日「中国のビールは値段が安く品質も良くて、値打ちものだね。」と繰り返し、万歳を叫びかねないほどだった。
北京から承徳までは200キロ余りの道のりで、渋滞するため、早く出発した。運よくすべて順調で、途中金山嶺の長城でゆっくり遊ぶ時間が取れた。八達嶺、山海関を登ったことがある人も、「ここの長城は本物で、元々の風情のまま、400年前の風情を壊すこと無く保存しています」と言い。Jさんは「ここに立って、長城内外の樹海の広がりを眺め、足もとには歳月を経た煉瓦の壁があたり一面にあり、気分が恍惚となってきた。山に沿って険しく、曲りくねって、まるで高山の峰の上に長い龍が寝そべっているみたいで本当に不思議だ。」と語った。
長城をおりると、みんなは非常に興奮した。私は窓から眺めていて、毛沢東の“清平楽・六盤山”という詩の文句を思い出した,「長城に行かなければ、男とは言えない。」ハッハッ、みんなは長城に着いて、すべて好漢になった、だから興奮しているのですね。
続いて承徳避暑山荘である。故宮と比較して、山荘はとりわけ淡白、上品、質素に見え、ご殿と塀は青煉瓦と灰色の瓦を多用し、山水の自然の色に近づけている。面積は頤和園の2倍に相当する。清の皇帝が夏に避暑と政務を処理するのに格好の場所だった。1994年に世界文化遺産のリストに加えられた。康煕・乾隆の2人の皇帝は毎年ここで半年ほど過ごしたそうである。
長城を登ったあと、避暑山荘にも行ったので、本当に疲れた。夜マッサージのお姉さんを自分の部屋まで呼んで足のマッサージをした。45分間で30元だった。お姉さんたちはみなやせているが、手の力はとても強くてマッサージも力の入れ具合がちょうど良くて、やっぱり訓練を積んでいるなと感じた。
幸い神さまが願いをかなえてくれ、夜は雨が降ったが、明けたら晴れていた。外八廟では私たちは時間の関係で普寧寺と普陀宗乗廟を選んだ。
普寧寺は漢民族様式とチベットの寺院の建築様式の結合で、境内の大乗之閣の高さは36.75メートルあり、中の千眼千手観音の高さは22.23メートルで、松、柏、ノニレ、スギ、ムクゲの5種類の木材を使って彫られている。近くに寄ると材木の香りが漂ってくる。
チベットポタラ宮の構造に倣って建てられた普陀宗乗廟は、俗称「小ポタラ宮」である。この寺の本建築は「大紅台」と呼ばれ、台の高さは42.5メートル、幅は59.7メートルである。
歴史を観覧したあと、再び北京市内に入って、近代的なビルやオリンピック会場を見ると、本当にこの地方が魔力に満ち、忘れ難い魅力も増したことに気がついた。
グループの方々は帰国後皆「ますます中国が好きになった。」と語っている。
(写真提供・澤野悦夫)








